20%ルール

余りにも有名になった「google20%ルール」。このルールというのは就業時間の20%を今の仕事と関連のないクリエイティビィティを感じられる仕事」へ使うということ。これは「使っていい」というのではなく「使わないといけない」というものである。

「ムダなコストと思えることが結局は会社の創造性に寄与するものとgoogleが確信している」
からだ。つまり、“未来への担保”であると思っているワケだ。
この何年かのgoogleのアクティビティをみると、その効果は十分に発揮されているように見える。
Adwords,Docs,Gmailなどを産んで来た……)


ただ残念ながら、最近はこの「20%」ルール」が十分には機能していないらしい。それは以前は各人の思考・指向・志向でやってよかったものが、事前に経営サイドの承認が必要になり、このルールが機能してないという。つまり「義務」から「許可制」になってしまった。
20%ルール」は「圧倒的シェアの拡大」と「破壊的イノベーション」を両立させてきた根源だったのに、今後どうするのだろうか?

そんなとき、たまたま読んだブログに次のようなことが書いてあった。

「一番いい仕事人生とは、自分の力量と立場をみきわめ、どこまできちんと働かずに好きなことをやれるかというゲームにしてしまうことだと思う。そのためには時々はやっぱりちゃんと働いて結果を出す時期も必要だけれども、基本は仕事で自分が楽しいと思えることをやるのが一番充実した人生をおくれると思う。」

この彼が以前のgoogleにいれば会社と社員のニーズが見事に合致するのだったが……。


もう一つ。瞠目したことがあった。社内のウエブサイトを使って徹底的な情報共有体制をとっていることだ。全世界7,000人がgoogle内のすべてのプロジェクトが閲覧できる。つまり、役員会の討議資料も含めてなにもかもオープンなのだ。人の出入りが激しいアメリカの企業である。役職や部署ごとに制限した方がいいのではないかという論議がなされたが、エリック・・シュミットCEOは……

「ビジネスにおいてオーバーコミュニケーションというものはあり得ない」

と持続を決めた。
これにも日本の伝統的企業のありかたからすれば、ひどく驚いた。
だがこのことも、もはや退歩しているのではないかと推測する。
(完)