SNSの液状化問題

毎日欠かさずブログを書いている男と話している。

「ブログで200くらいいいね!つくと単純に嬉しいのよね」ってその彼はテレながらそう言った。

「それそれ。それをね、ボクは“液状化問題“って言っているんだよ。……ブログに限らずFBにもそういうのがいて、その枯れ木も山の賑わいのチリやアクタの取り巻きに人気取ろうと頑張って、オノレがそれらに迎合して妙なことになっちゃっているヤツ沢山いるんだよねェ」


「3.11のときの浦安ね。アレは気の毒だった。いわゆる<液状化現象>ってヤツね。揺れで地盤自体が液状化して家の土台がグズグズになり家が傾いてしまう。
FBの液状化問題も似たようなもの。心ある人は“あらら、あんなに家が傾いてしまっているよ……”と痛々しく思っているのに、当人はまるで気付かずに“口だけ番長”のノボセになっている人って……結構いるよね」


SNS……とりわけFacebookって“バカ発見器”の側面って強烈に持っていると思う。多少取り繕っても、“定点観測”されちゃうと誤摩化しようもなくその人の本性とかインテリジェンスって滲んでくるよね。多分ね<実名性>がこれにドライブ掛けていると思うのよ」


twitterにRTってあるじゃない?“こいつバーカ、大バカ”という意味合いでRTしてワザと拡散させる“黒い手法”もあるらしい。FBの<いいね!>や場合によってはコメントの内容にも文字面とはウラハラにそういう“黒い意図”を忍び込ませてあるのが見える時があるよね。当人はさっぱり気付いていないんだけど……。
とにかくね、世の中『盲千人目明千人』だからね。みんなが○○教カルトの信者になっているわけでもない」


「あと、<リア充>プレゼンテーションも痛いねェ。若い人だったらまだまだ許せる。そのように自分を高く大きく見せることで、それをエネルギーにしてオノレを押し上げて行こうとしているワケだから……。でもねェ、いい歳こいたおじさんが<学歴>がすごいぞ、<妻>が良く出来た嫁で……とか、<住居>環境が素晴らしい……とかとか……って噴飯ものだよね。本当にリアルに充実しているヤツがSNSなんぞで、それらをわざわざアピールするわけないし、その必要もない。
つまりアレって現在がよっぽど充実していないって、問わず語りしている」


「まあ、SNSって手段に過ぎないし、それをどう使おうとあくまでも当人の勝手。でもそういう危険性とも背中合わせだから、自分のペースや立ち位置、価値観をきちっとマネージメントしていかなきゃならないよね。すぐに囲碁の“打って返し”のように自分の身が沈没してしまう。他山の石にしたいよね」


(完)