ブログと本

3冊目の本だが、随分と苦労した。mixiに5年間に370本くらいのエッセイを書いていたのを、本にしてみようかとなったわけだ。編集の人がついてくれて、彼女が取捨選択をして結局は130本くらいに捌いてくれた。

それまでは随分とタカを括っていた。すでに下書きのようなものがあるのだから楽勝だよと……。
もちろん、最近のブログでほほう!と思うものが少ないわけでもないし、BBSに書かれた物語に涙することも珍しいわけではない。これらを指して“活字の復権”だという人もいる。しかしながらだ。誰かが言っていたように、
「プロの小説や随筆とブログの文章では大リーガーの野球と日本の田舎の草野球以上の違いがある」
ということは本当のことだなって肺腑に沁みた。とりわけ、若い読者が多いmixiというメディアで書き散らしていたこととは様子とか風景が異なるのだ。mixiだからといっても舐めたり軽んじたりせずにやってきたが、そういうことではなくなんだか「構え」が違っているのだ。風雪に耐えた「文化」という定義なのかもしれない。新聞でいうところの“腰だめ”の設定も変えないとダメになってきた。
そんなこんなで、一向に前に進まず膨大な時間を費消してしまった。編集の人がいなけりゃとっくに“イチヌケタ”になっていたと思う。彼女の真綿で締め付けるような叱咤激励に何度も覚醒させられた。

このとりとめもないエッセイたちを束ねるもの……つまりタイトルでまた呻吟をした。前々から好きだったノーマン・メイラーの言葉「宇宙の中心は勇気だ」を持ってこようと落着した。ただ、ブログのタイトルですでにコレを使っている。それじゃと、これを<part?>にして緊急避難をした。

このダブりを不思議に思い質問してきた人がいたので、説明したら、「ああ、『スターウオーズ』のやり方を踏襲したのですね」って。ゲホッゲホッとした後に、辛うじて苦笑で返した。

(完)

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