財布羽田事件


朝7:30発新千歳に搭乗するべく、空港リムジンバスで最寄り駅から羽田第一ターミナルに着いたのが6時35分くらい。
まだ余裕はある。トイレに行って、コンビニでおにぎり買うくらいの時間はある。
あら?「東京ばなな」! 友人にひとつ……とお尻のポケットに手をやったが、財布がない。
パタパタ身体のアチコチを探る。(それにしても、男はいつもたくさんのポケットを持ち歩く)
……だがない。ない!どこにもな〜いッ?!

呆然と立ちすくむ。

東京ばなな」の店先の床が流砂のようになりズブズブの下半身が沈んでいく。喉元まで流砂が来るまでに10秒くらい。
その間の情報処理が以下。

〝まあいいか。チケットはあるワケだから、あとは札幌の友人に支払って貰って、後で清算すればいいか〝
〝いや待て、カネはともかくとして免許証とかクレジットカードはどうするんだ?〝
〝バスのなかだな?一度取り出した。キチンとポケットに戻されてなかったのだな〝

いずれにしろ、“ここで凹んでいて、得る物は一つもない、前へ進め”
で、以下の作業に邁進。

1.iPhoneで新百合丘発のバス会社の電話を調べる。(複数ある)
2.あるバス会社に電話がかかる。5:15発はどこの会社かを訊く。東急だといい、電話番号を教えてくれる。
3.東急バスに電話をして、バスの特定(2号だと言っていた)をして、自分の名前、電話番号、財布の特徴、落としただろうシートの場所を伝える。先方は運転手にコンタクトして折り返すと。
4.すぐにコールバックがあり、見つかったと!!(おお、神のご加護‼️)
「まだ第一ターミナルにいるのなら届けますが」という。バスはまだ空港内にいるのだと。
5.外のバス停にて待つ。間も無く空の東急バスがやって来て、ドライバーが「これですね」と。懐かしい財布に再会。
6.まだ、7:00。ボディチェックを通って、無事に搭乗。

いやはや、飛行機に乗る前に、二汗ほどもかいた。
それにしても、日本のシステムはキチンと機能している。
……というか、早朝からチャンと働いている人は働いている。
飛行機の中で、素早く対応してくれた人たち全員にこんこんと湧き出る泉のように何度も何度も感謝した。

降りた札幌は15度と涼しい。だが、心は特上のぽかぽか。

(完)